2025/08/04 宿主のひとりごと 令和7年7月
先日、台湾において山形県観光セミナー・商談会が開催され、参加してまいりました。
観光セミナーには山形県知事をはじめ観光関係者がそろって出席していて、台湾の誘客に力を入れていることが分かります。
山形県にはたくさんのインバウンドのお客様が来ていますが、台湾のお客様が断然多く、人気であることは間違いありません。
この人気があり注目されているうちに、さらなる誘客をという意図があるようです。
県全体からするとまだまだインバウンドのお客様が少ないという温泉地も少なくありません。
さらなる台湾からのお客様をお迎えし、県全体が潤うようにとの強い意志を感じました。
有馬館ではインバウンドのお客様の中で一番多いのが台湾のお客様です。
これまでも上山市のインバウンド推進協議会主催や、山形県旅館組合主催の商談会に何度も参加してきましたが、その度に台湾の旅行業者の方々の山形に対する期待が大きいことに驚かされます。
商談会でも熱心にこちらの伝えたいことを聞いていただけます。
今回も大きな成果があったと確信しています。
今回は滞在中に「防空訓練」という初めての体験をしてきました。
午後1時30分~午後2時までの30分間は、一切の外出ができないという厳格なものでした。
ホテルの方からチェックインの際、説明書が手渡され「この時間帯は絶対に外には出れないので、できればホテルの部屋でお過ごしください」と言われました。
「もしどうしてもお出かけの際は、建物の中にいてください」とのこと、違反すると逮捕されて罰金を払わなくてはならなくなるとのことでした。
その日は午前中に旅行業者を訪問し、お昼過ぎにはホテルに戻りました。
予定時刻の1時30分になると携帯に「プレジデンシャルアラート」というけたたましいアラーム音とともに通知が来ました。
日本の緊急地震速報のようなものです。
どんな様子なのかとホテルの窓越しに道路を見ると、車一台通っていない状態で、誰一人歩行者もいませんでした。
この統率の取れた速さは日本人には無理だと思いました。
俺一人くらい、この車一台くらい見逃してくれるだろうという甘い考えの人が、必ず何人かいるように思います。
でも、台湾の人はこの時刻の前にしっかりと用意していたようです。
コロナ禍の台湾の人の行動力、対応の早さ、団結力はすごいと感じましたが、このような訓練からもそれを見せつけられた瞬間でした。
商談会でもこちらの話をしっかり聞こうとしてくれますし、その姿勢は尊敬に値します。
お客様を送客していただきたいという意味では下手に出ている私たちにも、決して上から目線ではなく対等の立場かそれ以上の紳士的な態度にも驚かされます。
かつては日本人もそのような感じだったと思うのですが、日本人が失ったものを台湾の人は大事にしている。
そんな感じがしている今日この頃です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
有馬館
館主 須藤 信晴